講演会Lecture

2014年01月28日 

H25年 東日本大震災災害から学ぶ連続講座

高野山大学密教文化研究所主催
平成25年度 東日本大震災支援活動から学ぶ連続講座 活動報告

2011年3月11日に発生した大震災は未曾有の被害をもたらし、今も多くの方が困難のなかにおられます。あらためて被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。弘法大師の教えを現代社会にいかすことを研究の柱とする密教文化研究所では、あの日突然起こった悲劇にどう向かい合うか、また今もその苦しみを抱える方々とどう接していくべきかについて、他分野からも学びつつ共に考えるという趣旨のもと連続講演会を企画しました。平成25年度の活動報告をお伝えさせて頂きます。多くの皆様のご参加、心より御礼申し上げます。引き続き、平成26年度もこの趣旨の企画を継続していく所存でございます。どうぞ皆様のご参加を、宜しくお願い申しあげます。

地震状況
2011.3.11
一般財団法人日本気象協会
http://www.quakemap.info/?y=2011&m=3&d=11&s=1
第1回
講師:広瀬敏通
(ひろせとしみち)
平成25年5月29日(水)「復興支援から災害教育へ」.高野山大学にて
東日本大震災の被災地支援のために結成されたボランティア組織「RQ市民災害救援センター」での活動を基盤として「RQ 災害教育センター」が設立された。災害教育とは何か、貢献したいという気持ちによって生まれる被災地での交流を通して被災者と支援者の問で何が生まれるのか?それは私たちの人問的、社会的成長にとってどんな意味を持つのか。これまでの現場体験やこれからのビジョンについてお話を伺った。

広瀬敏通氏はNPO法人日本エコツーリズムセンターの代表理事として全国にある自然学校のネットワークを総括し、大震災直後から「RQ市民災害救援センター」を組織し、現地入りして宮城県登米市に本部を設け、7カ所に活動拠点を設置し、主に宮城県沿岸地域で支援の届きにくい地域の緊急支援活動、国内外のボランティアの受け入れや移動支援、日々変化する被災地のニーズに対応した支援活動のマネジメントを行った。結果として11月末まで主に総数37,000人のボランティアを動員し、運んだ物資は400トン、支援先は550ヵ所に及ぶ。12月からは一般社団法人RQ災害教育センターを設立し、地域復興支援・再生に向けた活動に取り組む。社会貢献支援財団の平成24年度「東日本大震災における貢献者表彰」受賞。RQ市民災害教育センター総本部長

第2回
講師:中島聡美
(なかじまさとみ)
平成25年6月26日(水)「複雑性悲嘆と災害復興支援活動について」.高野山大学にて
東日本大震災のような災害現場において、複雑性悲嘆について理解しておくことがなぜ重要なのか?災害グリーフサポートプロジェケト(JDGS)の立ち上げを経て被災地に赴き被災者や支援者たちに直接接する体験を通してグリーフケアに関して何が見えてきたのかなどを含めて、悲嘆に関する専門的な知識と現場での対人支援をつなぐためのポイントについてお話を伺った。

中島聡美氏国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部 犯罪被害者等支援研究室長。医学者。現在、大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究を進行中。

第3回
講師:渡辺久子
(わたなべひさこ)
平成25年7月17日(水)「郡山市における子どものこころのケアプロジェクト」.高野山大学にて
震災に直面した子どもたちのサインを早期に捉え、適切なケアを行うことでPTSDを予防するために郡山市で「子どものこころのケアプロジェクト」が立ち上がった。放射線の問題は被災地でどのような問題を引き起こしているのか、子どもたちやその家族に何を提供することが大切なのか?母子精神保健の分野での世界的なネットワークをフルに生かして被災地で活動してきた体験から、今何が見えてきているのかについてお話を伺った。

渡辺久子氏は、日本の医学者、小児科医。医学博士。慶應義塾大学医学部小児科専任講師。慶應義塾大学医学部を卒業後小児科、精神科、神経内科、精神分析を学び専門は小児精神科医学、精神分析学、乳幼児精神医学。

現在慶應病院小児科で思春期やせ症、被虐待児、人工授精で生まれた子ども、自閉症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など、工業化社会の複雑な葛藤に生きる子どもたちを治療的に支援している。平成20年8月1〜5日にパシフィコ横浜でアジア初の世界乳幼児精神保健学会第11回世界大会を開催し、日本組織委員会の会長を務める。

第4回
講師:堤澄子
(つつみすみこ)
平成25年9月25日(水)「被災地におけるスピリチュアルケアの実際」.高野山大学にて
東日本大震災発災直後から被災地に入り、ボランティアセンターの立ち上げを支援し、騨也の支援を受けてスピリチュアルケアを提供するためのケアカフICoCo.心香を立ち上げた活動から見えてきたものは何か。発災以前に神戸を中心として行ってきたホスピス活動は、東日本大震災被災地での活動にどのように引き継がれてぃるのか。ケアカフエのスタッフとして被災者の方々を雇用することによって、活動は今後どのような方向に進もうとしているのかなど、被災地でのスピリチュアルケアの可能性についてお話を伺った。

堤澄子氏はパストラルケアセンターHUG(ハグ)ハウスを設立。同ハウスは、カウンセリングやパストラルケア・スピリチュアルケア(心のケア・魂のケア・霊的ケア)の学びやケアの提供を通して社会に貢献することを目的としています。2011年3月11日の東日本大震災以降は、活動拠点を被災地に移し心のケアのための支援を行っている。

第5回
講師:石井光太
(いしいこうた)
平成25年10月23日(水)「『遺体』から見えてきた宗教の原点について」.高野山大学にて
被災地の遺体安置所では何が起こっていたのか?遺体や遺族にどのように接することが大切だったのか?被災地でのルポルタージュ『遺体』が映画化される過程では、どのような流れや思いが交錯して作品が出来上がってきたのか?現場での取材体験と作品とをふりかえりながら、宗教の原点や人と人とのつながりの根幹について感じたことのお話を伺った。(『遺体』上映後に石井氏の講演が行われた。)

石井光太氏は、日本のノンフィクション作家、小説家、作家。3.11の直後から被災地を取材。『週刊ポスト』『新潮45』などにルポを寄稿。映画化は、出版後わずか1カ月で申し出があったという。当初、石井は内容が内容だったために即答できず、「被災地へ行ってほしい」と依頼した。その後はフジテレビ側が丹念に現地取材を行い、モデルとなった人々に事実関係を確認し、了承得終えた上で、西田敏行を主演において映画化される。

第6回
講師:山崎達枝
(やまざきたつえ)
平成25年10月30日(水)「被災地におけるDMORT活動の可能性について」.高野山大学にて
DMORT(ディモート:災害時遺族支援チーム)とは何か?被災地で遺族支援を行うためのチームに必要なものは何か?遺体安置所での識別と修復、検視検案、遺族への連絡と対面時のサポート、中・長期的なグリーフケアにつなげる上で大切な視点は何か? DMORTに関する知識と経験を携えて被災地に赴いて感じたこと、気づいたことなどについてお話を伺った。

山崎達枝氏は、看護師・災害看護講師。 都立病院5回の転勤を経て、平成17年6月まで広尾病院勤務。同病院救命センター看護師および災害対策担当としても活動していた。現在は執筆や公演等を行う一方、救援活動にも積極的に参加。国内の災害だけでなく、湾岸戦争での難民援助に従事し、スマトラ沖地震では医療団とともにインドネシアで救援活動を行った。 その後も中国四川大地震やハイチ地震などで支援活動に参加。また、イラクにおける復興医療支援のための国際会議や、阪神大震災から10年を経た神戸で開催された国連防災会議に参加。日本DMORT研究会幹事。NPO法人災害看護支援機構副理事長。

第7回
講師:喜多村龍介
(きたむらりゅうかい)
平成25年11月27日(水)「取材を通じて想うこと、伝えたいこと」.高野山大学にて

福島第一原発事故による本宗被災寺院の現状と宗教者として反原発運動に取り組む小浜市真言宗御室派明通寺ご住職中嶌哲演師についてジャーナリストのお立場からのご講演を伺った。また喜多村龍介師ご自身が真言宗寺院(真言宗大覚派:大悲王院住職.福岡県前原市)のご住職であるお立場から、歴史的現実を前にしての真言教学や信仰の在り方について、お考えの一端をご披露いただいた。喜多村龍介氏は六大新報社代表。六大新報は、弘法大師を宗祖とする真言宗の専門誌。京都市内の発行。前身誌である『伝灯』第1号は、明治23年1月21日創刊。

■主催 高野山大学密教文化研究所
■協力 高野山大学人権研究会
■後援 高野山真言宗東日本大震災災害対策本部
事務局 高野山大学密教文化研究所事務室
(〒648-0280 和歌山県伊都郡高野町高野山385)
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