本書は、ギュスターブ・ドレ(1832～1883)の230点の版画入り聖書の豪華版である。ドレは、ロマン主義時代のパリの流行挿画作家である。その彼の代表作の一つ「聖書」が、1866年に英仏両国で同時に刊行された。木口木版という、材質の堅い木を水平方向に輪切りにしてその木口を銅彫版と同じように彫る技法を用い、聖書や福音書の各モチーフが、彼の解釈も加えて描き出されている。ドイツ語訳聖書の第6版が、このドレの挿画入豪華版として、1870年にシュツットガルトから出版された。本書には各モチーフに係わる230点の挿絵と806種の装飾模様の版画（※）が挿入されている。