卒業生インタビュー

卒業生インタビュー

ここでなければ
育たない力がある。
社会に出て
実感しています。

早瀬 郁
早瀬 郁
外資系一般企業 勤務 早瀬 郁 (平成10年 密教学科卒業、平成12年 大学院文学研究科修了)

日本人の教養が身についた

キリスト教徒だった私は、日本の文化習俗と密接に関わる仏教を学びたいと考え、高野山大学へ入学しました。「知らないことは恥ずかしいことじゃない、知らないままにしておく厚かましさが恥ずかしいとの先生の言葉を頼りに、新しい知識に食らいつく毎日。多くの僧侶が人々を救いたい一心で成した数々のエピソードに心を打たれ、西洋哲学的な解釈で弘法大師の思想や情熱を学びました。新しい価値観に出合い、何度も自分の中にある既成概念の破壊と再構築を求められ、おかげで当たり前を鵜呑みにせず考える力が身につきました。自らを問うことを学ぶ場が高野山大学であり、ここでなければ育たない力があると思います。国宝級の宝物にも触れられる高野山。この環境に惹かれて訪れる外国人も多く、国籍や宗教も違う人と交流し多様な価値観に触れました。グローバル化が進む今、改めて重要性が問われている「日本人の教養」を身につけられる得難い環境だと思います。

高野山大学卒業である強み

大学院を卒業後、人材紹介会社に就職。企業と転職したい人を結ぶエージェントで、秘書業務や各種データ分析などバックオフィス全般を担当しています。仕事では、論理的・合理的であると同時に、有機的な配慮ができていることを軸に物を考えるようにしています。それは高野山大学の演習で身につけた考え方です。「高野山大学卒業」というだけで興味を持ってもらい、語れる話題を持っているということは、社会でも大きなアドバンテージになります。歴史深く自然が豊かで、連綿と伝統が受け継がれてきた土地は他にない、そう自信を持って話ができます。

卒業生インタビュー

学び、クラブ、ボランティア
さまざまな出会いで得た
対話力が仕事に生きています。

吉田 享弘
吉田 享弘
地方公務員 勤務 吉田 享弘 (平成24年 密教学科卒業)

多彩な学問に触れた4年間

寺院の住職である父のもとで育ち、幼いころから仏教に興味を持っていた私。高野山大学に入学して驚いたのは、想像以上に学問の幅が広く、講義の内容が多岐に亘っていることでした。ひとくちに仏教といっても、歴史、思想、芸術、外国語、古典などさまざまな知識が必要で、高野山大学はこれらすべてを学べる恵まれた環境です。例えば、サンスクリット語やインド古典など仏教周辺の豊かな学問に触れ、仏教を理解する上でそれら学びの重要性がわかりました。授業以外にも、高野山大学には学びの場がたくさんあります。私は書道部で主将を務め、幅広い年齢の方と話をする機会に恵まれました。病院でのボランティア活動、お遍路を巡っておられる方々や僧職の皆さん、多くの出会いを通して多様な価値観に触れ、考え方も柔軟になりました。

人の役に立ちたいと思った

卒業を前に、寺を継ぐか否か悩む私に対して父がこう言ってくれました。「中途半端なことはするな」。自分は何をしたいのか、突き詰めて考えて到達した答えは「人の身近で役に立てる仕事に就きたい」ということでした。僧侶は心や言葉で人の役に立てる。けれどもっと具体的な形で人の役に立ちたい。そう考えて警察官を選んだのです。 現在は警察学校で学びながら、交番勤務をしています。自分の手で地域の安全・安心を守るという大きなやりがいがあります。地域の方とのつながりを深める上で、高野山大学で身につけた対話力、コミュニケーション力が大いに役立っています。これからも日々学びながら臨機応変に対応できる警察官をめざします。

卒業生インタビュー

大学で見つけた
教員になる夢、
かなえることが
できました。

阪田 拓哉
阪田 拓哉
私立智辯学園和歌山小学校 勤務 阪田 拓哉 (愛媛県立今治西高校出身)

僧侶をめざす者、社会福祉を学ぶ人、哲学を学びに来る学生など、さまざまな仲間と出会い、お互いに良い刺激を受け学び合った4年間です。私自身は密教を学ぶ中で語学に関心を持ち、漢語やサンスクリット語を学習することで経典への理解を深めることができました。そして学問の楽しみを見出せる高野山で、将来の夢を見つけることもできました。それは、いつか寺子屋を開き、子どもたちと共に仏教と儒教を学ぶことです。夢に近づくために、在学中は中学校・高等学校教諭免許状(宗教)取得を目標に、卒業必要単位を大幅に上回る単位を取り、仏教学の研鑽も積みました。

就職活動にあたっては、就職支援室の親身なサポートがとてもありがたかったです。おかげで第一志望の就職先に決まりました。現在では、小学生に宗教を教えています。高野山大学で学んだ仏教の知識や智慧を子どもたちに教え、さらに私自身も子どもたちと一緒に学び、成長していきたいと思います。「教え子たちが将来、仏教の教えを根底に社会貢献を行えるような社会人になる」ことを目標に、情操教育を担う教員として力を尽くしていきたいです。