
学び、クラブ、ボランティア
さまざまな出会いで得た
対話力が仕事に生きています。


多彩な学問に触れた4年間
寺院の住職である父のもとで育ち、幼いころから仏教に興味を持っていた私。高野山大学に入学して驚いたのは、想像以上に学問の幅が広く、講義の内容が多岐に亘っていることでした。ひとくちに仏教といっても、歴史、思想、芸術、外国語、古典などさまざまな知識が必要で、高野山大学はこれらすべてを学べる恵まれた環境です。例えば、サンスクリット語やインド古典など仏教周辺の豊かな学問に触れ、仏教を理解する上でそれら学びの重要性がわかりました。授業以外にも、高野山大学には学びの場がたくさんあります。私は書道部で主将を務め、幅広い年齢の方と話をする機会に恵まれました。病院でのボランティア活動、お遍路を巡っておられる方々や僧職の皆さん、多くの出会いを通して多様な価値観に触れ、考え方も柔軟になりました。
人の役に立ちたいと思った
卒業を前に、寺を継ぐか否か悩む私に対して父がこう言ってくれました。「中途半端なことはするな」。自分は何をしたいのか、突き詰めて考えて到達した答えは「人の身近で役に立てる仕事に就きたい」ということでした。僧侶は心や言葉で人の役に立てる。けれどもっと具体的な形で人の役に立ちたい。そう考えて警察官を選んだのです。 現在は警察学校で学びながら、交番勤務をしています。自分の手で地域の安全・安心を守るという大きなやりがいがあります。地域の方とのつながりを深める上で、高野山大学で身につけた対話力、コミュニケーション力が大いに役立っています。これからも日々学びながら臨機応変に対応できる警察官をめざします。

大学で見つけた
教員になる夢、
かなえることが
できました。


僧侶をめざす者、社会福祉を学ぶ人、哲学を学びに来る学生など、さまざまな仲間と出会い、お互いに良い刺激を受け学び合った4年間です。私自身は密教を学ぶ中で語学に関心を持ち、漢語やサンスクリット語を学習することで経典への理解を深めることができました。そして学問の楽しみを見出せる高野山で、将来の夢を見つけることもできました。それは、いつか寺子屋を開き、子どもたちと共に仏教と儒教を学ぶことです。夢に近づくために、在学中は中学校・高等学校教諭免許状(宗教)取得を目標に、卒業必要単位を大幅に上回る単位を取り、仏教学の研鑽も積みました。
就職活動にあたっては、就職支援室の親身なサポートがとてもありがたかったです。おかげで第一志望の就職先に決まりました。現在では、小学生に宗教を教えています。高野山大学で学んだ仏教の知識や智慧を子どもたちに教え、さらに私自身も子どもたちと一緒に学び、成長していきたいと思います。「教え子たちが将来、仏教の教えを根底に社会貢献を行えるような社会人になる」ことを目標に、情操教育を担う教員として力を尽くしていきたいです。