Department of Esoteric Buddhism

密教学科

弘法大師に連なる真言密教の継承者となる

真言密教の智慧を学び現代社会に生かしていく

密教学科が育む
人材とは

「さとるのが難しいのではない。この教えに出会うのが簡単ではないのである」とは、弘法大師のお師匠様であった恵果和尚のお言葉です。
弘法大師空海が生命をかけて日本に伝えた真言密教の教え―この教えを学び、身につけ、社会にいかしていく人材。密教学科が育むのはこのような人材です。

真言密教の理解者
となる

真言密教を学ぶことは僧侶になる人にだけ必要なものではありません。
世界に存在するものすべてに価値を見出す真言密教の教えは、多くの文化や価値観への理解を求められる現代社会において、必要な視点を示します。
インド、中国、チベット、日本、そして高野山へと、さまざまな地域、時代を通して伝えられてきた真言密教の教えを学び、身につけることで、多様性の時代といわれる現代を生き抜く力が養われるでしょう。

僧侶になるために
学ぶこと

弘法大師空海が「修禅の道場」として開かれた高野山上において、現代まで受け継がれていること。それは、真言密教の伝統的な僧侶教育システムとしての修行、すなわち「加行」や、師からの「伝授」を通して真言密教を学ぶということです。
これは、単なる知的理解にとどまるものではありません。修行という言葉が示すように、「僧侶」という生き方を自分自身で体得していくことなのです。

密教の教えを備えた
社会人として

本学が培ってきた仏教、密教の知識を学ぶことは、僧侶にしか役に立たないものではありません。必ず現代社会を生きていく上で、有益な指針となります。

弘法大師空海は宗教者であると同時に、事業家であり教育者であり文化人でもありました。すなわち、社会や人のために生きていくことです。本学では真言僧侶育成を軸にしながら、関連する多様なスキルを身につけることができるよう、カリキュラムを整えています。

【開講科目ピックアップ】
真言密教講読演習「秘密儀軌」

「秘密儀軌」を読み解くことで、
加行の意味をより深く理解していきます。

教授
トーマス・ドライトライン(瑩淨)

真言密教の究極的な目的である「即身成仏」のための修行法として、約100日間の「四度加行」があります。高野山で僧侶を目指す人は、この四度加行を修めた上で、「伝法灌頂」という儀式に入ります。四度加行の時、修行者が使う修行方法のマニュアルを「次第」と言いますが、その次第は多くの密教経典(「秘密儀軌」)を用いて編纂されています。ただ、この次第は修行方法を伝えることに特化したもので、その背後にある教理・思想との関連、特に「秘密儀軌」との関係などがわかりにくくなっています。

そこで、この講義では、伝法灌頂に入った方(已灌頂者)を対象に、次第をその元 となった秘密儀軌から読み解きます。秘密儀軌を学ぶことで、加行の意味を深く理解することが目的です。秘密儀軌は本来、師匠から弟子へと直接伝授されるもので、真言密教では、この伝授を特に重んじています。その伝統に基づき、厳しく講義を進めていきます。講義を通じて、僧侶としての自覚を持ってもらうとともに、真言密教の実践法である「事相」の理解を深めいただきたいと思います。高野山大学で僧侶という生き方を目指される方は、高野山が1200年間受け継いできた、他では決して真似できない“学び”を体験してください。

 おおきた  よしゆき  おおきた よしゆき

大北祥之

(杲勝)

さん 密教学科4回生
(島根県·松江北高等学校出身)

加行中は理解できなかった「次第」の本来の意味を学ぶことができ、真言密教の見方が大きく変わりました。先生の授業を受講していなかったら、今ほど真言密教に興味を持てなかったと思います。

じょ   とうぐん  じょ   とうぐん

東軍(来海)

さん 大学院文学研究科修士課程
密教学専攻
(中国・中国清華大学出身)

先生は豊富な知識を持って、様々な視点から秘密儀軌の基本を解釈してくださいます。 また、難解な部分もユーモアあふれる解説をしてくださるのでとてもわかりやすいです。

その他の科目

常用経典

真言宗でお唱えされる経典について学びます。日常生活や寺院で読誦されている『般若心経』・『観音経』・『理趣経』など、諸経典の内容と読誦法を学びながら、仏教用語の基礎的理解を促し、経典が描く仏教・密教の世界観を理解します。

布教

布教原理の実習を通して伝道の重要性を認識し、真言法話を創作し、人々に語って共感させるようになることが目標です。各種メディアの情報を利用して、現代に通じる法話を推敲とひらめきによって創作し、書き方や話し方も学びます。

サンスクリット語

インドの古典を読むために欠かせないサンスクリット語のダイナミズムに触れ、ことばの本質的な世界の楽しさを味わいます。文法の基礎から応用までを学び、仏典などの読解トレーニングを行い、実践的知識を修得します。

法式・法式上級

真言宗僧侶として必要な道場荘厳、壇荘厳の基礎知識を実践から学びます。法式上級では、法会における作法等を職衆として務めること、理趣三昧法会について実際の法要の流れを理解し導師や職衆としての作法を習熟します。

仏教史概説

インドで誕生した仏教が歴史的変容を経て、現代までどのように展開していったのかを学びます。仏教誕生以前に存在したインドの思想体系から始め、初期仏教と大乗の思想の違いについて理解を深めます。

書道(漢字・かな・篆刻・条幅制作・書道史)

三筆と称えられる弘法大師空海の伝統を受け継ぎ、筆をとって、基礎となる古典臨書から個性豊かな作品まで創作していく科目群です。中国の伝統的技法や日本独自のかなを中心に、実技を通して書道史を学び、書の美を堪能します。

引導作法・別行次第

高野山真言宗の教師(住職)の役割を理解し、住職として必要な別行次第、死者を仏道に引き入れ導き、悟りを得て成仏できるよう、経文や法語を読み上げる作法、その他日用小作法、事作法を中川善教先生の『理趣経法』をテキストに伝授します。

宗教学(世界の宗教)

社会・文化現象を宗教学の観点から読み解きます。「宗教とは何か、宗教とはどうあるべきか」をテーマに、諸宗教の聖典や宗教学の名著から世界の宗教のあり方を学び、映画などを資料に様々な宗教現象の理解を深めます。

Focus

僧侶教育を根幹に据えたカリキュラム
2年間で灌頂を受け僧侶となり、3年次から僧侶として必要な専門科目を学ぶ

密教学科は「次世代を担う真言宗僧侶・僧侶的教養を持った社会人の育成」を目標に、教学実習科目(常用経典・声明・法式・布教)などを必修科目とし、加行やボランティア、遍路巡礼など体験実習科目も卒業必修単位として認定予定です。また、2年次修了までに、学内の大菩提院での加行や、高野山専修学院での学外施設利用制度を利用し、真言宗の僧侶に必要な灌頂を受けるように指導します。三年次以降の必修科目群には、秘密儀軌の講読や、中院流伝授次第や中院流三十三尊法、別行次第や引導作法、日用小作法の伝授といった、真言宗の僧侶でなければ学べない科目を用意します。これらは、僧侶にもとめられる実践的な内容であるとともに、その背景となる教理や思想、図像や歴史・文化といった関連する知識を現実の社会で活用するための必要な科目です。

現代の社会に必要とされる僧侶になれるよう学びを深めていきたいと思います

高校卒業後、一旦は社会人として働いていましたが、当時お世話になったお寺とのご縁、ご住職の進言から、高野山で修行し、修学したいと思うようになりました。まずは別科密教専修コースに入学〜卒業しましたが、もっと学びを深めたいと思い、現在は学部生として学んでいます。大学で学ぶ科目はどれも手強く感じており、いずれも手を抜けないですが、特にサンスクリット語については他の科目より時間をかけて学んでいます。高野山は貴重な文化財などを気軽に観ることができるのが魅力だと思います。また、自然も豊かで、特に弁天岳が気に入っています。静かで、とても穏やかな気持ちになれます。
現代社会で必要とされる僧侶は、事実を根拠として思想や偏見に惑わされない僧侶だと思っています。今日はインターネットの進歩によって多くの情報を得る事ができますが、その多くが根拠のはっきりしない思想や偏見の混ざったものです。誤認識からは正確な見解を導き出す事ができません。見解から行為が生じるので行いにも齟齬が生じます。これを仏教では八正道と言います。お釈迦様の御教えはいつの時代にも有効です。大学では仏教を正しく理解し、多くの人々に教えの尊さを伝えていきたいと思います。

もり  ぎしょう

森 義彰

さん 密教学科2回生(愛知県・御津高等学校出身)

意欲次第で無限の
可能性が広がる学びの場です

さかきばら  ひろまさ

榊原 啓優

さん (2018年3月、高野山大学大学院文学研究科修士課程
密教学専攻 修了)

日本史を専門的に探求するために、高野山大学に進学しました。大学院に進学し、特に織田信長と真言宗の親密な関係を調査し、なぜ高野山に攻めることになったのか当時の実態の研究に没頭しました。高野山大学は少人数であることがメリットだと思います。先生と距離が近く、自分に合った指導をして下さいますので、自分の興味や究めたいことがある方には意欲次第で無限の可能性が広がる思います。

今は、学部で修得した国語・宗教の教免を活かして、高野山高校で教えています。その中で全日制(宗教・特進・スポーツ・自己探求)・通信制という、多様な生徒を包括する指導を目の当たりにし、大学で学んだ密教の豊かさに通じるものを感じました。高野山は、高野山高校・高野山大学ともにやさしく包み込み、見守り、「つらいことに縛られなくていいんだよ」ということを教えてくれます。のびのびと自由に自分らしく、豊かな学生生活を過ごしたい方、ぜひ高野山だけでなく、高校や大学に一度遊びに来てみてください。

さかきばら ひろまさ

榊原 啓優

さん (2018年3月、高野山大学大学院文学研究科修士課程 密教学専攻 修了)
高野山高等学校 全日制・広域通信制過程教諭

高野山高等学校
全日制・広域通信制過程
教諭

 おりの    こうりゅう

折野 弘龍

さん (2016年9月、密教学科卒業)

高野山で学ぶことは、
必ずその後の人生のプラスになります

 おりの    こうりゅう

折野 弘龍さん

(2016年9月、密教学科卒業)

大覚寺教務部教学課職員として働きながら、嵯峨伝灯学院副寮監をしています。同学院を卒業したばかりで、まだまだ指導官として未熟ですが、自身の経験を踏まえて修行僧の掃除やお勤めの監督をしています。様々な法会の準備、書類作成等もあり時間があっという間に過ぎる忙しい毎日です。心理学やスピリチュアルケアに興味があったため、将来は人の悩みを聞き、その人らしく過ごせるようサポートできる僧侶になりたいです。高野山大学は、大学の中の小さな世界だけが学びの場ではありません。高野山に住む人々からも多くのことを学び、厳しい環境の中で生活した経験が卒業後も活かされていると感じます。一方で、先生方は積極的に声をかけて下さり、日常の悩みも相談しやすい環境でした。過ごしやすい環境で一般的な知識を学ぶ大学とは違いますが、高野山という特殊な場所で大学生活を送るという経験は、僧侶になるならない関係なく、必ずその後の人生にプラスに働くと思います。

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高野山大学 Koyasan University

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