大学概要

134年を超える歴史を誇る高野山大学。
他者を思いやるこころを持った人間を育てます。

  • 沿革

  • 高野山大学は1886年に創設された、日本でも最も古い伝統を有する大学です。文学部に密教学科、教育学科、人間学科、大学院に密教学専攻、仏教学専攻を置き、世界遺産に指定された豊かな自然環境、歴史的伝統の中で、密教・仏教の精神に基づいた教育・研究を行っています。

  • 教育理念

  • いのち・文化・創造

    これは、真言宗の宗祖弘法大師空海の思想に基づくものです。弘法大師空海は、あらゆるいのちの営みを尊び、それぞれの価値を認める教えを説かれました。本学はこの教えに従い、自らの文化以外のさまざまな文化の価値を認め、新たな文化を生み出す教育を目指しています。

  • 人材育成目標

  • いのちを活かす人になる

    この教育理念を体現した人間を育成することが、本学の目標です。具体的には、自らの「いのち」が生かされてあるという事実に気づくこと、そして、生かされてある「いのち」なら、それは活かす「いのち」であらねばならないことを自覚することを目指します。この自覚は、自分と違う他者を理解し、その他者を思いやることのできる人となるための第一歩であると考えます。

  • 三つのポリシー

  • 教育目標に関する三つのポリシー

    デイプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)
    本学の教育理念に照らし、以下のような能力を身につけ、かつ所定の単位を修得した学生に学位を授与する。
    カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)
    本学の教育理念に基づき、密教・仏教の古典に学び、それを実践にいかしていくための広範な知識・技能を基礎的なものから体系的に教授し、最終的に必修科目としての卒業論文作成において丁寧な個別指導を実施し、それまでの学習成果の総合的な発揮を促す。
    アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)
    本学の教育理念である「『いのち』の営みを尊び、人間と環境・文化を理解し、人間性豊かで創造性にあふれた人材を育成する」に共感し、密教・仏教の古典に学び、みずから考え行動しようとする、学習意欲の高い学生を受け入れる。
    • 体系的に学んだ専門的な知識と方法論に基づいて、総合的に問題を解決し新たな価値の創造につなげていく能力が、一定の水準に達したと認められる学生。
    • 生命尊重の精神に基づいて人間の存在と叡智を敬い、種々なる文化の価値を創造的に理解する能力を有する学生。
  • 密教学科

  • 密教学科ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

    高野山大学文学部密教学科では、以下のような能力を身につけ、かつ以下のような知識や技術、能力を身につけた学生に学位を授与する。

    • 仏教・密教に関する専門知識。
    • 体系的に学んだ方法論・技能にもとづいて問題を探求し、論理的・実証的に思考するとともに、それを表現する能力。
    • 真言宗僧侶としての基礎的技能。
    • 日本やアジアの伝統文化をグローバルな視点からの理解する能力。
    • 現代社会における宗教の役割を理解し、実践することのできる能力。

    密教学科カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)

    高野山大学文学部密教学科は、上記の教育目標を実現するために、次の方針のもとに教育課程を編成し、実施する。

    • 1年次には、本学の建学の精神を学ぶための建学の精神科目をおく。とともに、大学で学ぶための基本的な学習能力と仏教・密教の基礎的知識を身につけるために、導入研修や基礎ゼミ、語学(英語・漢文/サンスクリット語)の科目、真言宗僧侶としての基礎的技能を習得するために実技科目をおく。
    • 2年次には、仏教・密教の専門的知識と方法論を体系的に学ぶために、仏教・密教に関する概論・概説の科目をおくとともに、弘法大師の著作を読解する祖典講読の科目をおく。
    • 3・4年次には、専門的知識と方法論、技能の習得のために、特殊講義・講読演習・密教学演習などの専門科目をおく。
    • 習得した知識や技能を総合的に活用して問題を解決し、また新たな価値の創造に結びつけていく能力を身につけるため、4年次にはすべての学生に卒業論文を課す。
    • 現代社会における宗教の役割を体験的に学ぶために、加行、ボランティアや巡礼・遍路といった実習科目をおく。

    密教学科アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)

    高野山大学文学部密教学科は、以下の教育目標に共感する、学習意欲の高い学生を受け入れる。

    • 仏教・密教の基礎知識を身につける。
    • 弘法大師の生涯と思想について研究する方法論を身につける。
    • 僧侶・寺院後継者として必要な知識と技能を身につける。
    • 高野山の伝統文化をはじめ、広くアジアの伝統文化を身につける。
    • 現代社会における宗教の役割を理解する。

    密教学科アドミッション・ポリシー(編入学者受入れ方針)

    高野山大学文学部密教学科は、以下の教育目標に共感する、学習意欲の高い者を編入学生として受け入れる。

    • 高野山真言宗僧侶として、高野山内で高度な専門的知識と技能を身に付ける。
    • 仏教や密教の教義や、宗祖弘法大師の思想、高野山の文化についての知識を身に付ける。
  • 人間学科

  • 人間学科ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

    高野山大学文学部人間学科では、以下のような能力を身につけ、かつ所定の単位を修得した学生に学位を授与する。

    • 社会人として必要な一般教養を身に付けている。
    • 他者を積極的に理解しようとする姿勢を身につけるとともに、自分の考えをまとめ、他者に適切に伝達するコミュニケーション能力を持っている。
    • 自らが置かれた現状を客観的に分析し、現状に働きかけるための対応を立案し、実行できる。
    • 大学での学びを社会のために、役立てようとする意識を持っている。

    人間学科カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)

    高野山大学文学部人間学科は、密教の教えや、長い歴史を有する高野山の文化や地域性を活かし、利他の精神に基づいた社会に貢献するための人間力を養成する教育課程を編成する。本学科が養成する人間力とは、コミュニケーション能力、一般教養、人間関係の構築力からなる力であり、その養成のために、座学のみならず、体験を中心とした実践的な教育を展開する。

    • 導入研修においては、大学で学ぶための心構えや学習の仕方、大学生活について理解するとともに、ガイダンスや宗教体験を通じて各自が自己を見つめ、大学で学ぶ意義を確認する。またグループ活動を通じて、人間関係を構築することを体験する。
    • 教養科目においては、高校での学習を確認し、大学の学びの基礎とするとともに、社会人としての基礎力となる一般教養を身につける。
    • キャリア教育を必修とし、自身が将来どのように生きていくのかを考える。1年次から3年次までキャリアデザイン科目を履修することによって、自己の生き方を自分自身で考え、将来の設計を立てる。2年次では宿泊を伴う集中講義を基本とするキャリア研修、3年次では企業などでの職業体験を行うインターンシップを展開する。
    • 社会福祉主事任用資格の取得を必修として、社会に貢献する人材を育成する。
    • 体験型授業を通して、社会や人間関係の理解を深めるとともに、コミュニケーションの能力を養成する。1年次ではボランティア体験、2年次では基礎的な調査方法を学ぶ人間学実習、3年次では専門的な技術を習得するための実践演習を展開する。
    • 自身の考えをまとめ、発表し、討論する能力を養成するために、1年次から4年次まで演習を必修とする。1年次では大学で学ぶための基礎的な方法を身に付ける人間学基礎ゼミⅠ・Ⅱ、2年次では3年次からの専門性を高めるための基礎を学ぶ基礎ゼミⅢ・Ⅳを展開し、3年次・4年次では専門的な知識を学ぶとともに、卒業論文作成に向けて指導を行う。

    人間学科アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)

    高野山大学文学部人間学科は、建学の精神を理解し、以下の項目に該当する学習意欲の高い学生を受け入れる。

    • 密教の教えや人々の支え合いによって成り立ってきた高野山の文化や地域性を理解し、利己主義に陥るのではなく、利他の精神をもって社会や地域に貢献する意欲を有する者。
    • 自己を見つめ、自己を深く理解するとともに、他者についても深く理解しようとする意思を有する者。
    • 他社と積極的に交流するために必要なコミュニケーション能力を有する者。
    • 座学による受動的学習だけではなく、能動的。実践的な学習ができる者。

    人間学科アドミッション・ポリシー(編入学者受入れ方針)

    高野山大学文学部人間学科は、建学の精神を理解し、以下の項目に該当する学習意欲の高い者を編入学者として受け入れる。

    • 密教の教えや人々の支え合いによって成り立ってきた高野山の文化や地域性を理解し、利己主義に陥るのではなく、利他の精神をもって社会や地域に貢献する意欲を有する者。
    • 自己を見つめ、自己を深く理解するとともに、他者についても深く理解しようとする意思を有する者。
    • 他社と積極的に交流するために必要なコミュニケーション能力を有する者。
    • 座学による受動的学習だけではなく、能動的。実践的な学習ができる者。
    • 人間学の分野に強い関心を持ち、卒業後に社会経験や本学での学修内容を社会に還元することをめざす者。
  • 教育学科

  • 教育学科ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

    文学部教育学科のカリキュラムにおいて卒業要件を満たす単位を取得し、初等教育や幼児教育、保育に関わる基礎的な知識・能力を身につけると共に、次の資質・能力を備えた学生に学士(教育学)の学位を授与する。

    • 教育や保育の現場で活躍しうる実践力・人間力
      (1)授業構成力、教材開発力を身につけ、学習活動を適切に運営できる力を有する。
      (2)子どもたちに寄り添い、適切なコミュニケーション能力や仲間と協働してものごとを完成させる力、困難にくじけず最後まであきらめない心を有する。
      (3)子どもたちの悩みを受けとめ、適切なカウンセリングなど心理ケアに関する知識・能力を有する。
    • 地域の安心安全や活性化に貢献しうる人間力
      (1)地域社会および生活文化を大切にし、ケアの心で人々を支援できる知識・能力を有する。
      (2)地域の人々と協力し合って活動し、地域活性化に貢献できる知識・能力を有する。

    教育学科カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)

    本学の教育理念と教育目的に基づき、大きく「専門科目」群、「基礎科目」群とでカリキュラムを編成し、「専門科目」の中に、「理論的科目」群と「体験的科目」群を置く。「理論的科目」群には、「教職関連科目」や「心理関係科目」に加えて、「体験サポート科目」群を特別に配置する。「体験サポート科目」群は、「体験的科目」の学びと、「理論的科目」の学びを繋ぎ、体験と理論的な学び、経験と知識との結合を図るために配する。

    • 「理論的科目」では、教職や心理関係についての専門的知識・技能を育み、実践力のある教師や社会人としての資質・能力の育成を目指す。
    • 「体験的科目」は、本学の最も特徴的な科目群であり、教員に必要な資質・能力を育成するために設定した科目群である。1年次から、学校や地域において多様な体験を積み重ね、地域での様々な年齢層・職種の人々とのふれあいを通して、相手の話に耳を傾け、分かりやすく伝えられるコミュニケーション力や、相手の気持ちに寄り添うことのできる能力、困難にぶつかってもやり遂げられる力、仲間と協力してものごとを完成させる実践力などを育むことを目的とする。
    • 「体験サポート科目」によって、実践と理論をつなぎ、大学での学びを確かに内実化することを目指す。
    • 「基礎科目」は、建学の精神に則った本学の特徴的な科目や、教養科目、僧侶科目などを配し、「いのち」や、社会、文化について理解し、人間を含む世界への豊かで多様な視点を育むことを目指す。

    教育学科アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)

    教育学科では、以下のような学生を求める。

    • 本学の建学の精神および教育目的を理解し、人間的成長と学ぶ幸せを願う人。
    • 教育について関心と意欲を持ち、大学での履修にふさわしい基礎的な学力を有する人
    • いのちを尊び、子どもたちやすべての人々に寄り添い、「利他」の精神を育もうとする人。
    • 学校や地域での活動に積極的に関わる気持ちを持つ人。
    • 探究心・好奇心を高め、社会に貢献する意欲を有する人。