スピリチュアルケアはホスピス運動という歴史的背景から生まれてきました。
ホスピス運動は与えることと受け取ることが循環するようなコミュニケーションの原理によって支えられています。
終末期におけるケアが中心となりますが、スピリチュアルケアには子育てやグリーフケアなど人生のあらゆる場面における多様な対人援助が含まれます。スピリチュアリティは、さまざまな領域に専門化されたケアを俯瞰的に統合するための視点を提供してくれる見守りの器だということができるでしょう。
スピリチュアルケアを学ぶと、密教や仏教の伝統を現代社会に生かすための基本的な姿勢が身につきます。葬式や法事などの宗教的儀礼において何に気をつけてどのように心がけることが心の癒しにつながるのかについて、心理学の諸理論を学び、コミュニケーションに関する基本的なトレーニングを積み重ねながら身につけてゆきます。
マインドフルネスを学ぶヴィパッサナー瞑想(観法)はブッダの教えの中核であり、西洋仏教ではマインドフルネスと呼ばれて宗派を超えて実践されています。ストレス緩和法や認知行動療法の中心技法として取り入れられ、医療や心理療法の現場で最も注目を集めています。自分を知ることが自分を大切にして他者を思いやる心につながるような自己覚知力を身につけるために、授業では伝統的瞑想法と現代的エクササイズを組み合わせながら体験的に学習してゆきます。 あらゆる仏教や密教に通じる「念」の用い方を学ぶのです。 |
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傾聴する姿勢を身につける人は誰でも自分の話していることに深く耳を傾けてもらうと、安心して落ち着き、それだけで問題の半分以上が解決してしまったと感じることもあります。共感的に受けとめてもらい、ゆがみのない鏡に映し返してもらうことによって自分が抱える問題を明確に知ることができるからです。 共感的に受容し、ありのままに映し出す鏡として自らを差し出すことができるようにトレーニングを積み重ねます。 |
仏教心理学で読み解く仏教や密教の教えは心の安らぎや本当の幸福について実践的な知見を伝えてきました。そうした伝統的知見が現代の心理学と照らし合されることによって新たな仏教心理学としてよみがえります。 さまざまな臨床現場で行き詰った時、なぜそうなってしまっているのか、具体的にどうしたらよいのかについて仏教心理学の俯瞰的な視点から問題を読み解く力を身につけます。 |
原始仏典には、現代社会に横たわっている様々な問題を解決する上で非常に大きな指針となる教えが数多く残されています。
現在行なわれているスピリチュアルケアの世界と、「いのち」をどのようにみまもり、生と死の苦しみにどのように向き合ったかについて語られた釈尊のおしえとが、いかなる接点を持ち得るかについて考察していきます。
目に見えず、捉えどころもない「こころ」。
でも、私たちは確かに、日々何かを感じ、考え、「こころ」を使って生きています。古来より洋の東西を問わず、「こころ」についての考察がすすめられてきました。
心理学における様々な立場からのアプローチや考え方を多面的に学び、真摯に自身や他者の「こころ」と向き合う力と姿勢を培います。
スピリチュアルなケアを展開するときに必要な基礎理論について学びます。
ホスピス運動の原理、対象喪失、死の受容、愛着形成、発達心理とライフサイクル、欲求の階層説、移行対象など、誕生・子育てから死の看取りに至る人生のあらゆる場面を射程にいれたケアを実践できるようにするための準備です。
スピリチュアルケアを学ぶための入門として、人類進化の歴史と宗教の起源という視点から、スピリチュアリティとケアについて考察していきます。
スピリチュアルケアについて、人類史的な視点から議論できる力を身につけます。